安らかに眠る世の前、君と韻踏ミ。
旅人が旅に出たのはもう幾年か前のこの日和で、だからこの家にチョコレート日和はありませぬ。チョコレート日和はないけれど、世は毎度、はいチョコレートだい、やいチョコレートだい、と騒がしゅう地デジ事情、と、チョコレート事情。そ...
旅人が旅に出たのはもう幾年か前のこの日和で、だからこの家にチョコレート日和はありませぬ。チョコレート日和はないけれど、世は毎度、はいチョコレートだい、やいチョコレートだい、と騒がしゅう地デジ事情、と、チョコレート事情。そ...
会いたい、という感情は厄介で、会えない、ということは哀しみだと認識していた春があった。会いたい、と思っても、どうやったって逢えなくなってしまった人がいて、会いたい、という感情を捨てられたら、と思いつめていた冬があった。 ...
静かに草木が呼吸している。まるで内緒話をしているようだ。闇はもっと濃くなって、この液晶画面はもっと光って、小さな虫たちが寄ってくる。夜が来た。 夜はどちらかと言えば好きではない、かもしれぬ。早起きの方が得意だ。父が昔から...