師走や行くな、いきつぎ、つぎ、へ。
耳の調子をなんとなく崩してしまって、いつもそばに在る恋焦がれる音楽も、どうにかして掴みたいきみの声も、膜が張った遠くの方から聞こえてくる。そもそも何不自由なく生活できているこの日常が奇跡であって、逃したくないあの音も、溢...
耳の調子をなんとなく崩してしまって、いつもそばに在る恋焦がれる音楽も、どうにかして掴みたいきみの声も、膜が張った遠くの方から聞こえてくる。そもそも何不自由なく生活できているこの日常が奇跡であって、逃したくないあの音も、溢...
静かに草木が呼吸している。まるで内緒話をしているようだ。闇はもっと濃くなって、この液晶画面はもっと光って、小さな虫たちが寄ってくる。夜が来た。 夜はどちらかと言えば好きではない、かもしれぬ。早起きの方が得意だ。父が昔から...