こだわらないにこだわるこだわりを。
こんなにも時が経ってしまった。文章は毎日書くことに意味があると誰かが言っていて、毎日書いている時はその意味が分かってくるような気がしたりするけれど、なんだかんだと日々が過ぎてゆくとなかなかそうもいかない。こう書いている間...
こんなにも時が経ってしまった。文章は毎日書くことに意味があると誰かが言っていて、毎日書いている時はその意味が分かってくるような気がしたりするけれど、なんだかんだと日々が過ぎてゆくとなかなかそうもいかない。こう書いている間...
母が蒔き損ねたバジルとパクチーの種があった。少し季節が外れてしまったようで、今から蒔いても芽は出ないかもしれない。しかし今蒔かないとなんだか心残りだから、ひとまず蒔いてみることにする、と母は言う。私も興味が沸いて手伝うこ...
里里という猫が我が家にやって来た。サトリと読む。私が名付けた。音の通り、悟りたいという願いを込めて、里里(サトリ)と名付けた。 さとり【悟り/覚り】 出典:デジタル大辞泉(小学館) 1.物事の真の意味を知ること。理解。...
通り雨がやってくる前に訪れる暗がりに敏感になって来た。雨が降る前は香りがする。そしたら雷が遠くで鳴って、あっという間に雨が降り出す。いつまで続くのかはわからない。地面にたたきつける雨音が全てをかき消す。 ぼうとして母のア...
父は朝から饒舌で、なんだかわくわくとしているようだった。どうやら今日は新しい場所に足を運び、新しい挑戦が始まるらしい。向こうの部屋で溌剌とした父の声が響いていた朝だった。私も今日は新しい場所に行く予定があるのだけれど、わ...
目の眩むような暑さに夏の訪れを感じずにはいられない。まだ六月だというのにこんな具合では、灼熱の太陽照りつける真夏に立ち向かえるだろうかと不安になる。そんなことを考えていると、にわか雨が降って一瞬にして草木が匂い立つ夕暮れ...
静かに草木が呼吸している。まるで内緒話をしているようだ。闇はもっと濃くなって、この液晶画面はもっと光って、小さな虫たちが寄ってくる。夜が来た。 夜はどちらかと言えば好きではない、かもしれぬ。早起きの方が得意だ。父が昔から...
目が覚めて窓を開けたら、見慣れない花が咲いていた。青々とした木々の中で、一輪だけ凛としてこちらを向いている。昨日までそこに存在しなかった花だと思うけれど、私が気付いていなかっただけかもしれない。通りすがり、柴犬の散歩をす...